鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ジゴサタ~地獄の沙汰もお前しだい」1

  • 洋介犬「ジゴサタ~地獄の沙汰もお前しだい」1(ニチブンコミックス)

2020年1月29日刊。

知らない作家だったが、Web広告で見て興味を持ち、迷わず購入。「鬼灯の冷徹」のようなギャグ漫画かと思ったら全く違った。ギャグ調に仕立てた作品もあるにはあるのだが、もっとエグイ。

主人公は女性で、冒頭でいきなり殺される。理由は経緯は不明。そして煉獄行きとなる。被害者なのになぜ刑罰に処されるのかも不明。恐らく、いずれ明かされる時が来るのだろう。そして地獄の刑吏に就職する。以後、刑吏である主人公の目から見た地獄絵図が語られていく。

罪を犯した者に罰を与える。その非情ぶりは面白く、ホラー的側面もあるが、スカッとするというほどではない。たまに、やむに已まれぬ事情があった者に対して温情措置が取られることもあり、ヒューマンストーリー的側面もある。が、そういう話が多いわけではない。主人公の刑吏は徐々に悩み、葛藤を抱えるようになる。

人間社会の複雑さ、正しい賞罰を与えることの難しさ、命が永遠に続くことの残酷さ、おやじギャグのつまらなさ、などが混然となっている。一気に読了。こんな面白い漫画は久しぶりに出会った!



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