鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ワンナイト・モーニング」1

  • 奥山ケニチ「ワンナイト・モーニング」1(ヤングキングコミックス)

2019年7月8日刊。タイトルは、二人で一夜を過ごしたあとの朝食、の意。グルメ漫画っぽかったら厭だなと思ったが、全くそういう感じではなかった。二人の互いのこだわりや、過ごした一夜に対する思いがこもった食事。楽しいことも空しいこともある。

第一話は、恋人になる前に友人になってしまったため、一歩を踏み出せない二人。思い切って部屋飲みをしてそのまま一夜を過ごすが何も起きない。しかし翌朝……

この二人の「その後」を読みたいと思ったが、第二話は別の人の話だった。短編集なのだ。

第二話は、セフレと割り切って付き合っていたはずなのに、男は女を好きになってしまった。セフレというのがよくわからない。好きでもないのに抱き合うことができるものなのか? 継続してそういう付き合いをしているということは、お互いに好きなのではないのか? と思うけれど、いざ別れが決まった時に涙が出てくるところがいい。

第三話は、よかった、第一話の二人のその後だ。その後も不器用な二人はゆっくりと関係を暖めていたようだが、ついに結ばれた。

第四話、出会い系で知り合った人と勇気を出して会ってみたが……

第五話、コンビニで一緒に働く彼女はちょっと天然だった……

第六話、思い通りにならないと泣く母、それを見て「母さんを泣かすな」という父、そして最後には親の言うことを聞いてしまう自分。が、幼なじみと再会して、オールでカラオケをし、親に逆らってでも自分が本当にやりたいことをやろうと決める……

第七話、第一話の二人のさらにその後。ついにプロポーズ! その翌日の朝ご飯は……

第八話、クラス会で初恋の人と再会。大人はいろいろな思いを抱えていて、人肌のぬくもりがほしい時もある。それは浮気とか遊びとかではなく、その時は真剣に相手を求めているんだけど、一晩経ったら熱が冷め、ゆうべの気持ちに嘘はないが、この相手とずっと付き合うことは考えられないな、と思ってしまうことはある。でもこれはつらいな。相手もそう思ってくれればいいのだが。

というわけで一巻完。



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