- 根田啓史「怪しい壺買ったら、中から美少女が出てきた話」1(ナンバーナイン)
2022年4月29日刊。
通販で誤タップして高額な壺を購入してしまったたかし(30歳独身男性)の話。壺の精と称する下着姿の美少女(アーヤ)が現われ、願い事をひとつ叶えてくれるという。しかし、下品な人がすぐに思いつくようなことは実行しない。引きこもりゲーム三昧ニートだったたかしは、美少女に恥ずかしいことはしたくないと考え、部屋を片付け、早寝早起きをし、アルバイトを始める……
「あの時助けたカラスがドジすぎて困る」と似た設定だが、カラスの方は、男性はもともと勤勉なサラリーマン。本作のたかしは10年以上自堕落な生活を送ってきた(生活費をどう工面していたのかは謎)。アーヤと出会って少しずつ自分を変えようと努力する、たかしの成長譚である。
アーヤは魔法が不得意で、歴代の主人を怒らせていたが、たかしだけは自分を怒らず、責めず、暖かく見守ってくれるため、たかしに惹かれていく。たかしは、自己肯定感が低かったが、アーヤから「誰が何と言おうと私にとってはすごい人です!」と言われて少しずつ気持ちが前向きになっていく。
なお、表紙のアーヤは可愛い上に色っぽいが、本文中のアーヤは可愛いけれど特に色っぽくはない。