鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「おかあさんの扉」

2012年2月17日刊。kindle版は2013年4月26日刊。

育児漫画の系譜をたどると、そもそもは森本梢子の「わたしがママよ」(1991~96)に行きつくと思っている。この作品は子育て界隈で評判となり、森本梢子を引き上げることにもなるが、「育児漫画」というものの存在のアピールにもつながった。東村アキコの「ママはテンパリスト」(2007~11)のヒットでジャンルとして確立、以後、子が生れると、それをネタにした作品を描くことは一般的になった。同じ時期に「エッセイ漫画」がジャンルとして確立してきたこととも関りがあろう。自分の私生活を切り売りすることが珍しくなくなると、「子育て」という最大のコンテンツを見逃すことは考えられないからだ。

本作は、並行して夫である吉田戦車も「まんが親」という作品を描き、同じ子を両親が作品にしている。両親がともに漫画家である夫婦だけができる業だ。吉田戦車の作品は、雑誌掲載時にチラチラ読んでいたので、伊藤理佐がどう描いているのかは興味があった。

10年経ってようやく読むことができた。ちゃんとオチは伊藤理佐になっている。下ネタもある。子育て漫画というより、単純に伊藤理佐のギャグ漫画として面白い。

「1巻」の表示がなかったため、全一巻か? と思ったら、最新刊は11巻だった。小学6年生。いまだ連載は続いているらしい。



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