- 奥灘幾多「好きな人がいた」(ナンバーナイン)
2020年9月18日刊。表紙・扉などを含めて48ページの薄い本。
シュウは小学4年生の時、チカが好きだった。思い切って夏祭りに誘うと、いいね、みんなで行こうと言われてしまう。
戸川は小学4年生の時、隣の席で、絵がうまくて、何かと親切にしてくれるシュウが好きだった。が、シュウの頭の中はチカのことだけ。転校することになって、皆の前で挨拶をしたが、シュウはチカを夏祭りに誘うことで一杯で聞いていない。お別れのプレゼントを渡したが、そこに残したメモすら、シュウは読んでくれなかった。
そんなシュウ、チカ、戸川が成人式で再会した……
自分の存在を気にかけてもらえない戸川の気持ちも、二人よりみんなで行った方が楽しいじゃんと言われてしまうシュウの気持ちも、経験があり過ぎて痛いほどわかる。どうしようもないことだけど。現在の三人の立場の違いも。