言わずと知れた有名な作品だが、実は自分は「パタリロ!」というタイトルの漫画がある程度のことは知っていたが、読んだことがなく、どんな内容か全く知らなかった。「ガラスの仮面」も長らく読んだことがなかったが、それでも主要な登場人物の名前や関係性は知っていたことと比べると、本当に何も知らなかった。
今朝、『パタリロ!』魔夜峰央とブリの握り(2015-04-21、【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】第11話)を偶然読み、俄然、興味が湧いたのだ。そもそもギャグマンガということも、作者が男だということも知らなかった(少女漫画だということは知っていた)。
調べてみると、1978年に連載を開始し、今でも連載中とのことで、単行本は100巻を超えている*1。それを知ってやめようかとも思ったが、連作短編のギャグ漫画なら、全巻揃える必要もないしと思い、1巻を購入した。
面白いことは面白かった。なるほど単なるギャグではなく、ミステリーありサスペンスありアクションあり耽美BLありと、ストーリーの骨格がしっかりしているから飽きずに楽しめる。
ただし、登場人物のアクションがわかりにくい。アクションはカッコよくないと意味がないが、カッコよさ以前に、今誰が誰と何をしているのかがわかりにくいシーンが多い。自分の観測範囲では、少年漫画にはこのようなことは滅多にないが、少女漫画に多い(この点に関してはいずれきちんと調べてみたい)。
もうひとつ、パタリロの顔はいいのだけれど、バンコランの顔が美しくないのだ。時代性もあるが、1973年の「おれは直角」(小山ゆう)に出てきた郷慎太郎は、今見ても惚れ惚れするほど美しいから、そこは作家性なのかなと思う。
いずれ2巻、3巻と買うかも知れないが、今日のところはここまで。
リンク
- 田中圭一×『パタリロ!』魔夜峰央先生インタビュー(2015-04-17、BookLive)