- ゆざきさかおみ「作りたい女と食べたい女」1(KADOKAWA)
2021年6月15日刊。最近NHKの夜ドラで実写化され話題になっていたので、興味を持って原作を読んでみた。
野本は料理が趣味だが一人暮らしで小食のため、ボリュミーな料理ができずストレスを抱えていた。同じマンションに住む春日に、思い切って食事をご馳走してみたら、たいへんな勢いで食べてくれ、それがとても嬉しかったため、たびたび料理をしては春日を誘うようになった……
昔、一人暮らしの女性がふとしたきっかけから胃袋底なしの男子高校生に食事をご馳走して以来、料理を作り、それをおいしそうに大量に食べてくれるのを見ることに幸せを感じるようになった……という作品を読んだことがある。これはわかる。食べてもらえる当てもないのにボリューミーな料理を作りたいものなのか。これは自分にはよくわからない。そういう人もいるのだろうけど、実感が伴わない。
ただし、料理もおしゃれも、男性に消費されるため(だけ)のものではない、という気持ちはわかる。
野本と春日は、親しくなるにつれ、料理は別にして、一緒に過ごすことが楽しく感じられるようになってくる。まあ、逆に、そういう相手でなければ一緒に食事をしても楽しくないよね。
春日はもう10年も帰省していないという。彼女の職業や家族関係に興味を感じる。