鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「キャプテン2」8(新刊)

2023年3月17日刊。

川北高校には、ミート打法に切り替えた途端に打線がつながるようになり、結局コールド勝ちをおさめる。

次の相手は、エース佐野の率いる東実。墨谷は松川との投げ合いとなり、両チームともゼロ行進を続けるが……

以前の失敗を生かし、トーナメントが始まってから練習を一切やめた。そのため選手は休養十分で身体は切れ、しかも「野球をやりたくてたまらない」状況になり、それが試合で好結果を生んでいる。これはとてもいい話の運びだ。

一方、イガラシが140球も投げたり、谷口が松川に「この試合はお前ひとりで投げろ」と言ったりするのは、令和の基準ではいただけない。一流投手が四人もいるのだ。もう少し負担にならない投手リレーを考えてもらいたい。

オリジナルの「キャプテン」では、意外に印象に残る好敵手がいない。同じ相手とあまり何度も当たっていないせいもあるが、敵チームで唯一名前を憶えているのは、青葉の佐野と江田川の井口だ。井口は墨高に入って来たから、あとは佐野だけということになる。佐野も、青葉のエースだった時はブイブイ言っていたが、高校生になってからは小さい身体でかなり苦労したようだ。その点は谷口や丸井、イガラシに共通する。井口や近藤にはわからない悩みだ。そして、本巻では丸井をライバル視していることもわかった。それはそうだ。中学時代から全国大会への道をことごとく墨谷によって阻まれたのだから。丸井は同い年のキャプテンということで意識しているのだろう。

しかし、最後に負けるのがライバルの宿命とはいえ、佐野はあまり「見せ場」がない。最初にすごい速球を投げて周囲を唖然とさせておいて、最後は墨谷に打ち込まれるのである。本作では、是非とも佐野に見せ場を作ってあげてほしいなあ。もう今からじゃ無理かなあ。



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