2015年6月23日刊。「月刊フィールヤング」(祥伝社)2007年10月号~2008年6月号連載作品。
明るい作品。「神様ゆるして」に見られるような、心を抉る作品が持ち味なのかと思い、警戒しつつ読んだのだが、全く異なる作風だった。絵柄も変わっている。
あったことのない遠縁のおじが亡くなり、身寄りが紬(つむぎ)の家しかないらしく、後始末のために紬が出かける。場所は秩父、都心から約2時間だが都会とはまるで違った土地だった。古民家好きの紬は興奮するが、母親に報告すると、それならそこに住めばいいと言われる。
結婚のため会社を辞め、明日引っ越しという時に、相手が妻子持ちであること発覚。職も家も失い、いったん実家へ身を寄せるも、姉が出産間近で実家で生みたいと言っているため、居場所がなく、おじの墓のこともあるため、しばらく滞在することにする。
そして紬は、田舎暮らしの良さを少しずつ知っていく……
都会生活に慣れた人が、こんなに簡単に田舎の生活を受け入れるのは少々出来すぎだが、いろいろと傷つき、心機一転の心境だったことが幸いしたか。古民家の生活をていねいに描いている点が好感が持てる。
「日日是好日」、自分は「ひびこれこうじつ」と読んでいたが、「にちにちこれこうにち」が正しい読み方なんですね。知らなかった。