鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「うちの大家族」1

  • 重野なおき「うちの大家族」1(アクションコミックス)

2004年10月29日刊。

作品自体は「まんがタウンオリジナル」で2002~2006年、「まんがタウン」で2005~2018年、「コミックハイ!」で2006~2011年に連載された。単行本は全15巻。

千葉に住む内野家は、父親と男三人・女五人・犬一匹の大家族。母親亡きあと、長女の愛子は大学を中退し、彼とも別れ、母親代わりになって家事に精を出し家族の面倒を見る……。

ひとつひとつの話は面白いのだけど、愛子は完全にヤングケアラーでしょう。母親亡きあと、家族の世話をどうするのか、父親が真剣に考えなければいけないのに、愛子に丸投げしている姿勢は疑問に感じるし、長男がミュージシャンを目指すといって定職に就かず、家に生活費を入れないのも、いったい何を考えているのかと思うし、次男も次女も高校生なのに家の用事を手伝わない。

愛子自身はそれを問題だとは思っておらず、嬉々として家事をこなしているのだが、読者としては、こういう話は笑えない。

秋月りすの「かしましハウス」も、人数はぐっと減って四人姉妹ではあるが、母親が死んで長女が家事を一切担っている設定は同じ。が、こちらはそういう不愉快さはない。次女は働いていて、恐らく家に生活費を入れている、三女は大学生で、「子育て」の時期は過ぎている、四女は小学生で世話が必要だが、精神年齢は四人の中で一番上、というあたりがうまく功を奏していると思われる。



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