- 新谷かおる「バランサー」1~3
少年サンデー1985年~1986年連載作品。オリジナル単行本は少年サンデーコミックスで、1巻は1986年3月1日刊、2巻は1986年4月1日刊、3巻は1986年6月1日刊。
「ふたり鷹」連載終了のあと鳴り物入りで始まった新連載。「エリア88」も終盤を迎えてぐんぐん盛り上がっていた時期で、新連載開始の前週の予告ページは相当に気合が入っていたことを今でも覚えている。
当初のタイトルは「ジャップ」だった。新谷かおるは、このタイトルで問題にならないか、事前に何度も何度も編集部に確認を入れていたらしい。「問題ない」というのでこのタイトルで連載を開始したら、一週目で早くもクレームがあり、編集部から「タイトルを変えてほしい」との要請があったそうな。「だから言ったじゃないか!!」と新谷は激怒したものの、結局はタイトル変更を承諾。とはいえ、これですっかりやる気をなくしたのか、途中からどんどんトンデモ展開となっている。
第一巻(正確には第8話まで)は漫画史に残る傑作、それ以降は読む価値なし、とは多くのファンの共通認識だろう。
たまたまネットで見つけて懐かしさのあまり1巻を読んだら続きが気になり、結局全巻買ってしまった。一応連載は最後まで読んでいたはずだが、3巻あたりから記憶にない。読むのをやめてしまったのだな。Wikipediaによれば「打ち切り」だそうだが、一応話は完結している。が、そもそも主人公が第8話で死んでしまうのだから、ここで終わらせてもよかった。
「世界情勢を踏まえた傭兵の活躍」という設定は、のちに「砂の薔薇」に受け継がれている。