鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「BG、あるいは死せるカイニス」

単行本は2004年11月30日刊。文庫本は2009年10月16日刊。学園ミステリー。蔵書の再読。

時期的にはこちらが早いが、「人柱はミイラと出会う」と同傾向の作品。つまり、架空のファンタジー世界を創生し、その中で起きた事件を解決するミステリーという点で。

本作では、人間は全員が女性として生まれる。その中で心身ともに健康で優秀な一部の人間は、出産したのちに男性に性転換を起こす。

主人公「わたし」の姉が殺された。姉と「わたし」は異母姉妹だが、「わたし」の父は別の男性と結ばれて姉を生み、その後男性化して「わたし」の母と結婚し「わたし」が生まれたという複雑な関係だ。

ミステリーとしての出来は措くとして、作中では男性・女性それぞれのメリット・デメリットが語られ、それらは現実の世界とは異なるが、現実世界の男女差別をも描き出したものになっている。……のではなるが、やはり20年前の作品だなあとも思う。大枠として「男性優位」が大前提になっている気がするのだ。作者が男性であるがゆえの限界かも知れないが、令和の世であればもう少し別の書き方をするのではないか。

ただし、ラストで「わたし」が企むプロジェクトは、とてもいいオチになっている。読後感はよかった。



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