鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「やってられない月曜日」

  • 柴田よしき「やってられない月曜日」(新潮文庫

単行本は2007年8月1日刊。文庫本は2010年7月1日刊。連作短編集。蔵書の再読。

このような内容の小説をなんとカテゴライズすればいいのかわからない。主人公はOLで、主に「仕事をする」ことを通じて起きる悲哀を描いたものだから、ワーキングガール・ストーリー? 人の心の機微を描いたものだから、ハートウォーミング・コメディ? 恋愛要素はあるが、ミステリー、サスペンス、ホラー要素はない。

ひとつひとつの話の展開やオチの付け方が秀逸。こういう本を読みたいんだあたしはっ、と叫びたくなるほど感動した。とにかく、メッチャ面白い。

ひとつだけ、終盤で、憧れの人から告白された女性が、「彼は本当に私が好きなわけではないと思うんだ」と分析するくだりがある。その話はもっともで、ついこちらも説得されそうになったが、祥子はぴしゃりと言う。彼のことはどうでもいい、あなたの気持ちはどうなの? と。振られるのがそんなに怖いの? と。主人公に助けを求めるが、主人公は応える。「玉砕、するべし。以上」

このテンポがいい。ちなみに「玉砕」と「するべし」の間に読点が入っているのは、主人公は大けがをして普通に喋れないからだ。

祥子は本書の最初と最後にちょろっと出て来るだけの完全な脇役だが、本作に先駆けて、祥子が主役の「ワーキングガール・ウォーズ」という小説がある。いわばそこから出張してきているというわけ。当然「ワーキングガール・ウォーズ」も読みたいのだが、部屋のどこにあるのかわからない。発掘するのは大変だ。



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