鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「修羅の刻」参

1991年10月11日刊。「月刊少年マガジン」1991年8月号、9月号掲載。

前巻は坂本龍馬が主人公だった。描き方に、特に大政奉還後の薩摩藩の人たちとの会談に、小山ゆうの「お~い! 竜馬」みを感じたが、あれは真似をしたのではなく、意図的なパロディだったのでは、と気づいた。小山ゆう版では陸奥陽之助が同席しているが、本作では陸奥出雲が同席しているわけだ。

さて、坂本龍馬が死に、本巻では沖田総司土方歳三が主人公となる。出雲は労咳が治ったと言い張る総司と勝負に及び、叩き伏せて殺す。今わの際に「病人ではなく剣士として死んで行けてしあわせだ……」と呟くのが印象的。その後、総司の遺言を土方に伝えに北海道まで行き、そこで土方の最期を見届ける……

新選組の物語はどこを取っても「散り際の美学」でしかないので、哀しいが、そこにまたたぎるものがあるのも事実なのだ。手に汗を握る巻だった。



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