鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「夢からさめても」

  • 王嶋環「夢からさめても」1(アクションコミックス)

2014年1月18日刊。

主人公の星幸久は節木(ふしぎ)市の市役所観光課に勤める平凡な公務員だが、予知夢を見る能力がある。夢はほぼ100%実現するが、未来のいつのことなのかはわからない。

職場の上司、筒井美弥はしっかりしているが口うるさい人で、星は苦手にしていた。が、付き合っている予知夢を頻繁に見るようになり、しかも無愛想な職場の態度と違い、私生活の可愛い姿を見ているうちにどんどん好きになっていく。

だが、二人が付き合うことは確定未来だと思い込み、告白もしなければ好かれる努力もしない……。そのうちに秘書課の美女・伊藤さんと付き合っていると周囲に誤解され……

いい大人ではあるが恋愛初心者同士のほのぼのラブストーリー。と言いたいところだが、星が己の能力に甘え過ぎ、またデリカシーがなさ過ぎ(職場で筒井もいるのに伊藤を食事に誘う等)で、ちょっとイライラする。筒井も伊藤も気立てが良く、思いやりがあって好感度が高いだけに、星を怒鳴りつけたくなる。二人の行く末は気になるが、次巻を買うか、迷うところ。

星の見た夢を、意外な形で回収する物語の作り込みはよくできている。そこは楽しめる。