鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「しれっとすげぇこと言ってるギャル。―私立パラの丸高校の日常―」1

  • 松浦太一・原作、おつじ・漫画「しれっとすげぇこと言ってるギャル。―私立パラの丸高校の日常―」1(ヤングジャンプコミックス)

2024年5月17日刊。発売日に速攻で購入したのだが、どのように表現すればいいのか書きあぐねているうちに一ヵ月以上も経ってしまった。

2023年11月から「となりのヤングジャンプ」で連載開始。早い段階から本作に気付いており、アプリ「ヤングジャンプ+」では全作無料で読めた(単行本発売まで)ことから、何度も何度も読みに行っていた。全く新しい漫画が出て来た、と思ったものだ。

Youtubeも開設されているとのことで当然見に行く。あとでわかったことだが、実はこちらが先。Youtubeアニメを漫画化するという新しいパターンだ。ということは、アニメ作成段階ではおつじは関わっていないのか? おつじがアニメに絵を寄せている?

Youtube版は動画とはとても言えない、紙芝居のような作品だが、みらいとへー子を担当している声優がとてもいい。声優を好きになる人の気持ちが少しわかる……

ゆるふわ学園ドラマである。中心になるのはみらい(見里未来)とへー子(平翔子)という二人のギャル。主人公の多々光はひたすら突っ込みまくる役割でいわば狂言回しである。

本作が破格なのは、この世界の人間は誰もが何かしらの超能力を持っていること。それも未来が見えるとか、並行世界へ移動できるとか、ブラックホールを出現させられるとか、驚愕の能力なのだが、それで世界征服を企むというようなこともなく、テストでカンニングしたり好きな人を振り向かせるために有効利用しようということもなく、しれっと日常生活を送っているのである。

バトル漫画のパロディがあったり、デス・ゲームのパロディがあったり、そういう話のつくり方もうまい。

どんな能力を持って生まれたか、本人が成長し異能を発揮し始めるまで誰にもわからないはずなのに、能力をよく表わす名前がついているところがオカシイ。わかりやすくてよいが。

コミュ障で友だちがマサ以外いなかった光が、ギャル二人と徐々に仲良くなっていくところはフツーの学園ドラマだなあ、と思う。

「大丈夫そ?」
「セツあるコトある」
あざまる水産

は使ってみたいがなかなかフィットする場面がない。



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