鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「神作家・紫式部のありえない日々」1

2022年4月25日刊。月刊「コミックZERO-SUM」2021年12月号~2022年5月号掲載。

むっちゃ面白い本を見つけた。こういう作品に出会うと「EUREKA!!」と叫びたくなる。

結婚して二年で夫に先立たれた34歳のシングルマザーは同人活動に生き甲斐を見出していたが、藤原道長より宮仕え(彰子の家庭教師)の指示がくだった……ところから物語が始まる。大河ドラマより現時点で先行することになるが、父親の顔は岸谷五朗にそっくりだし、一条天皇は塩野瑛久にそっくりである。惟規もどことなく高杉真宙に似ているように見える。

名前がまひろではなく香子(こうし)となっているが、それはまあどうでもいい。宮中では天然のふりをしていたとか、定子の評判が良く彰子の女房たちは暗くて機転が利かず面白くないと言われていたなどの話は、少し前に読んだ「面白すぎて誰かに話したくなる紫式部日記」にまさに描かれていた通り。

このくらい話が一致してくるとそれだけでも面白いが、式部の作家活動を敢えて現代風の表現で表わしている(推しカプとか腐とか)点もオカシイ。

2022年の春からの作品だから、大河ドラマを意識したわけではないのだろうが、連載が続いて現在に至っているのは興味深い。