- タカノンノ「推し殺す」1(バンチコミックス)
2024年3月8日刊。「くらげばんち」で連載中。
冒頭部分は恐らくtwitterかなにかで断片的に見た記憶がある。このたび1巻を購入し読んでみた。
ちょっと震えが来た。
小松悠は高校時代に漫画家として人気を博し単行本を出すが、一冊出したところで何も書けなくなってしまい、漫画を描くのを断念する。大学へ進学したら、入学式の日に大森卓(小松悠のペンネーム)の大ファンだという女性・三秋縁と知り合う……
三秋縁の大森卓への憧れやプロ漫画家になることへの執念、小松悠の漫画に対する愛憎ないまぜの複雑な感情、小松が大森だと知る先輩・朝井の生暖かい視線など、様々な思いが絡み合っていく。大学漫研特有のいい加減さや懐の広さなどもうまく表現されている。
ナルミの「漫画は一人で描くものでしょ」はわかる気がする。漫研はアマチュア活動だから、プロを真剣に目指す人は所属しない方がいいのかも知れない。
それにしても今の子は、漫画を描く➡SNSで発表する➡バズったらデビュー、みたいに考えるんだね。日々大勢の人に作品を見てもらえる・評価にさらされることがモチベーションというのはわかるし、実際それで何人もプロになっているわけだけど、プロを目指すならこれはという出版社に持ち込んで編集者に見てもらう方が近道だと思うがな……
絵柄に覚えがあると思ったら、「ショートショートショートさん」の作者だった!