鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」1

  • 荒瀬ヤヒロ・原作、晴田巡・漫画「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」1(一迅社

2024年7月26日刊。ありそうでなかったおひとりさま物語。

伯爵令嬢ニコル・ポートレットはケイオスという婚約者がいるが、全く大切に扱われていない。なかなかニコルのために時間を取ってくれないし、一緒にいてもキャロラインのことばかり口にする。

キャロラインは王女で、美しく聡明で、ケイオスの幼なじみ。ケイオスは将来は棋士になって王女を守ると公言している。キャロラインにすっかり心を奪われている、とニコルは思っている。

ついにニコルはケイオスに期待するのをやめ、一人で行動を取るようになった。最初は周囲の目が気になったが、慣れてみたらなんと自由であることか――

ケイオスは自分がないがしろにされていることにやがて気づき、ニコルの関心を買おうとするも、空振りばかり……という話。

ニコルは別に他に好きな人がいるというわけではない。また、破談になってもほかによい縁談があるとは思えないから、婚約はこのままでいいと思っている。ただ、一人で好きに生きたいだけだ。

ケイオスはキャロラインに対し、家臣として忠誠を尽くしているだけで、女性として関心を持っているわけではない。そういう意味ではニコル意外に意中の人はいないし、実はニコルのことを意識しているのだが、女性と付き合ったことがないためにどう接していいかわかないでいる。

浮気とか不倫とかいう話ではないので、微笑ましいといえば微笑ましいが、事態は深刻である。このまま形式だけの結婚をすることになるのか、それともケイオスはニコルの関心を再び取り戻すことができるのか。

アホやなーと思うのは、ケイオスが、ニコルに対して「どうしたらいい!?」と迷い、その相談をキャロラインに持ち掛けることである。そういうとこだよ、そういうとこ! なんでニコルに相談しないのだ!!

2巻が楽しみだ。

コミカライズとあるので、原作は小説らしい。読んでみたいが、Amazonを検索した限りでは見つからない。



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