- 多喜ざわゆき 「縛って見つめて」1
2024年7月9日刊。
ちょっとゾクっとくるものがあって驚いている。この年齢になって、新しい性癖に目覚めそう!?
SMというものに全く興味がないわけではないが、いわゆる小説や漫画の「SMもの」はほぼ100%「レイプもの」「凌辱もの」であって、SMど素人の癖に「これは違うだろう」と思っていた。それが性行為であり、肉体的愛情表現の一種であるなら、パートナーに対する愛情や信頼は欠かせないだろうと思うからだ。
本作はSMバーでの体験なので、恋人同士ではないけれど、Sの側は常に相手を気遣い、嫌がることは決して無理強いしないので、安心して委ねられる。初めて真面目に「SM」を語っている漫画を読んだ気がする。
このクラブで相手をしてくれたS女性が、覆面をかぶっているわけでもアイマスクを着けているわけでもないのに、職場の同僚だと気づかないのは、いくらなんでもちょっと……とは思うが、店内は薄暗く、また、厚化粧をしていたとかの理由があったのだろう。