鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「花鬼の記~赤い瞳のみづは~」

  • 曽祢まさこ「花鬼の記~赤い瞳のみづは~」(ぶんか社コミックス)

紙版は2012年8月17日刊。kindle版は2016年5月30日刊。連作短編、三部作。掲載誌は「まんがグリム童話」か? 掲載年月日不明。

「みづは」は不思議な能力を持つ不死の少女。いや、少女という年齢ではないか……。タケルの祖父はその少女に恋い焦がれたが、報われないまま一生を終えた。祖父の葬儀でみづはに出会ったタケルは、心を持っていかれてしまい……

みづはが魅力的なので、「あーみづはにキスしてもらえるなんて、いいなー」などと思いながら読んだ。たとえそれが死のキスだとしても……

曽祢まさこは短編作家だが、連作短編こそがその魅力を味わえるものではないかと思う。畳みかける怖さ。回を重ねて登場人物の魅力も深みを増すし。本作は三部ともみづはの相手が同一人物。幼い日に出会ったみづはをずっと追いかけるタケルの物語だった。が、二元はすぐに年を取るがみづはは取らない。相手が死んでもみづはの人(?)生は続く。ぜひ続きを描いてほしいと思う。



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