- 荒瀬ヤヒロ・原作、晴田巡・漫画「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」2(一迅社)
2025年1月31日刊。もちろん即日購入。
ケイオスがポンコツなのは早々にわかっていたが、本巻ではキャロライン嬢も相当に間抜けだということがわかった。まあ、ケイオスと仲がいいというのはそういうことなのかも知れないが。
他の友人たちはまだまともだが、ケイオスだけではなく、他の友人も含め、アホか? と思うのは、ニコル嬢の気持ちを取り戻したい、なんとか再びケイオスのことを好きになってもらいたいと躍起になっているところだ。
「一度見切りをつけた相手に好意を抱かせるのは、嫌いな相手を好きにさせるより難しい」という、それはその通りだろうが、今すべきはそれじゃない! これまでニコルをほったらかしにしていたことを素直に謝ることと、ほったらかしにしていた理由をはっきり伝え、誤解を解くことだ。つまり、ケイオスとキャロラインは付き合っているわけでもなければ、片想いをしているわけでもない。ケイオスが女性として意識しているのはニコルだけなのだ――ということを。
しかし、単なる誤解の段階は過ぎてしまった。この国では、身分のある女性は働くことができず、生きて行くためには結婚するしかなかった。だから残るはケイオスとの婚約は破談にするつもりがなかった。が、隣国では女性の自立が促されており、働くこともできると知ってしまった。隣国の言葉も勉強したニコルは、隣国への留学を決めてしまった。
ことここまで及んでは、ケイオスの挽回は無理だろう。いや、ケイオスと結婚することがニコルの幸せにはならないだろう。もうケイオスはニコルを解放してあげてほしい。

