2003年8月25日カッパブックス刊。文庫本は2006年4月12日刊。著者の二作目の長編。
三人は、ある人物を空港へ連れて来させるために、那覇空港で羽田へ出発前の琉球航空機をハイジャックした。ナイフの持ち込みも、人質の確保もうまくいき、さてこれからという時にトイレの中で乗客の死体が発見される……。
はあ? という突拍子もない事件の幕開けである。ハイジャックの犯人が死体を発見して右往左往するのである。ハイジャックとは無関係の事件が輻輳したのか?
探偵役を務めるのは座間味くんである。座間味くん初登場。座間味という名前の由来もわかった。そういうことだったのか(忘れていた)。
自分は、近代のミステリーにおいて犯行の動機とか背景といったものは「どうでもいい」と考えている。どうでもいいは大げさだが、そこを描くのが主眼ではないと思うから。だが石持浅海の場合は動機や背景が謎解きに密接な関わりを持っていることが多いから油断できない。本作もしかり。最後は謎がきれいに解け、カタルシスが味わえる。

