鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「キャンパス日記」

  • 一本木蛮「キャンパス日記」(eBookJapan Plus)

kindle版は2016年3月1日刊。紙版はAmazonを探しても出て来ないが、自分はかつて紙版も購入している(今も押し入れの奥にあるはず)。1983年に大学入学と同時に本作品を「ファンロード」に連載したもの。

本作はそれほど大ヒットしたわけではないけれど、いくつかの点でエポックだった。担当編集者のKさんはほぼ毎回作中に登場するが、顔が「K」という文字になっている。また両親も「父」「母」の文字が立体化し首から上についている。この斬新な表現は恐らく一本木蛮が始めたもので、その後静かに追随する人が現われた。現在はほとんど見ないけど。

そもそも日記形式の漫画というのは珍しかった。先駆的には長谷川町子の「サザエさんうちあけ話」みたいなのもあるけれど、あれは長谷川町子が超有名人だから作品自体は面白くなくても読まれたのだ。一本木蛮は当時は無名。そんな人の身辺雑記を誰が読みたいと思うだろうか? ところが蛮ちゃんのこの日記は面白いんである。当時、「ふぁんろーど」界隈にはエッセイ風の漫画を描く人がポツリポツリいたと記憶するが、蛮ちゃんの日記がずば抜けて面白かった。「エッセイ漫画」を確立させた最初期の作品なのでは、と思っている。

それにしても懐かしい。私の方が作者より少し年上で、その後私は自分の大学の生協の機関紙に漫画を何度か掲載させてもらうのだが、もろにこの「キャンパス日記」の影響を受けた作品だった。



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