単行本は1998年7月、「猟奇の果て」というタイトルで立川書房より刊。文庫本は2000年12月、ハルキ文庫より刊。2011年、改題の上幻冬舎文庫から刊。長編ミステリー。
次々に人が死ぬ。これでもかというくらいに死ぬ。いくら小説とはいえ、やりきれない思いもあるが、何より名前が覚えられない。冒頭で最初の死体を囲んで刑事が三人登場する。なぜ三人なんだ。おかげでどのセリフを誰が喋ったのか混乱する。二人ならこんなことはないのに。
そんなわけで読み進めるのはいささか苦労したが、内容は面白かった。支離滅裂で話が広がるばかり、と思ったら、半分以上過ぎたところで犯人と思しき人物が登場。さてはこいつが犯人だったのか、あとは警察がいかに「彼」を発見し追い詰めていくかだな、と思ったらその人物ではなかった。結局、冒頭に登場していた意外な人物がキーパーソンだった。
というように、ミステリーとして十分楽しめた。
気になる点としては……
- いったん逮捕した人物に逃亡され、罪を重ねられたとあっては、いくらなんでもゴメンでは済まないだろう。どれだけ現場は気が緩んでいたのか、それとも上司の指示で逮捕はしたものの、逮捕する必要はないと手錠を外してしまったのか。
- 襲われた人間が過剰防衛で相手を殺してしまったとして、普通の人間なら気が動転するだろうが、いくら動転しても、死体を埋めてなかったことにしよう、とは思わない。落ち着いたら警察を呼ぶはずだ。そうしなかった「理由」がほしかった。

