鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「二十四の因果」

2025年9月17日刊。「強制霊媒師・斎」シリーズ第16巻。発売とほぼ同時に購入したが、なかなか読めずにいた。

負の邂逅

危険運転で事故を起こし、巻き込んだ相手を死に至らしめてしまった人の話。死んだ本人やその家族にとってはたまった話ではないだろうが、本人と家族もずっと反省と後悔を引きずって生きていくことになる。斎が、償うというのは、しあわせになってはいけないということではありません、と告げるのは重い。

表紙の写真はカッコいいスポーツカーだけど、マツダのスポーツカーはユーノスだけじゃないのかな。なんという自動車だろう。

執着の家

事情で家を手放さなければいけなくなった人から格安で購入するが、いやな気配が消えない。原因は、手放した人(の家族)の生霊だった。これは元の持ち主の執着をなんとかしなければ根本解決にならないと思うが、斎は何か手を打ったのかな。作中「あたしに考えがあります」と言っているがそれがどういう考えなのかは示されなかった。

それにしても、いくら広くて安いといっても、新婚夫婦に中古の家を(しかも内覧時にまだ住んでいる家を)買わせるかなあ。多少狭くても新築がいいんじゃないかなあ。広ければ広いで掃除一つとっても大変だし、まして一軒家は管理が大変だし。

三人の幼なじみ

自殺をするとそこにさまざまなイヤなものが集まって来てたいへんなことになるという話。だから自殺だけはするなという教訓だが、自殺するまで追い詰められた人に、あとのことを考えろと言っても聞く耳があるかどうか。しかし藤原クンという編集者、かつて何があったかここまで詳しく調べて来るとは、なかなか優秀ではないか。

二十四の因果

代々の長男が24歳でみな死んでいる家系で、自分の息子が死なぬよう斎に依頼する主婦の話。お父さんは何かを知っていそうなのに、なぜ隠すのかな。そんな言い伝えとか呪いとかを「くだらない」と思っているからかな。それにしても先祖の悪行を問われても困るな。

Y字路に建つマンション

マンションを買うに当たって斎に相談したという妻に、「霊能者とかうさんくさい」と怒る夫の気持ちもわかる。夫の悪い点は奥さんに丸投げしたことであって、斎(のような人)を信じないのは、ある意味当然だと思うのだ。窓を頻繁に開けて風通しを良くすると悪い(霊的な)ものはたいてい出ていく、というのはいいアドバイスだ。霊的なことを考慮に入れなくても、こまめな換気はいいはずだから。

「強制霊媒師・斎」シリーズを最初に読んだ時、斎は架空の人物(小林薫の造ったキャラクター)だと思った。その後シリーズを読み進めて、さすがにここまで壮大な嘘はつけないだろう、多少は盛っているところはあるにしても、斎は実在の人物なんだろうと信じるようになった。「霊能者ですがガンになりました」を読んでさらにそう思った。が、亡くなったあとでもこれだけ話が続くということは、やはり創作なのか……? まあ話が面白いからいい。17巻は出るだろうか。