6巻は2024年9月12日刊、7巻は2025年3月12日刊、8巻は2025年9月11日刊。今のところ8巻が最新刊。
一冊ずつていねいに感想を書いていると大変なので、ここは3冊まとめて。
御前試合はビビアとアリアケの一騎打ちではなく、それぞれのパーティから二名を出して戦うチーム戦に。アリアケはラッカライをパートナーに指名。もちろんビビアは、二名とも自分が追い出した人間だから、バカにし切って向かってくるが、大方の予想通り、ビビアはアリアケどころかラッカライにも歯が立たない。
が、勝負は御前試合の枠では収まらなかった。
一度は捕まったビビアを牢から出し、汚名返上のためと称して御前試合を仕組んだのは宰相ワルダークだが、実は人ではなく、魔王配下の四魔公のうちの一人だった。彼は国はおろか世界までも滅ぼそうと、勇者ビビアを取り込み、人々に襲いかかる。が、アリアケのパーティメンバー全員が一丸となって返り討ちにするのだった。さらにアリアケは、滅ぼしたワイルダーの中から取り込まれたビビアを救出した。
意識を取り戻したビビアは、それでも現実を直視できず、悔しがる。一方、アリアケは勲章を授与されることになったが、目立つから嫌だと逃亡することに。
さて、アリシアのもとに教会本部から手紙が届く。「大聖女アリシアは大賢者アリアケと結婚し、教会本部の危機を救うこと」――アリシアにとっても結婚など寝耳に水の話(嬉しいのだが)。また教会本部の危機というのが何を意味するのかも不明。が、「アリシアが困っているなら解決しよう」とのアリアケの言により、聖都セブテノへ向かう。すると、そこでは早くも危機が……
ビビアは予想をはるかに上回る(下回る、か?)ヘタレだったが、いったん出来上がった勇者の称号はそれなりに強固で、彼を信じる人が少なからずいるのは面白い。そのビビア自身は、誰の話を聞いても自分の都合の悪い話は決して受け入れず、問題を起こしてそれを指摘されても逆切れするだけ、アリアケと直接対決して敵わないことを見せつけられても、決して現実を見ようとしない。それはそれですごいけど、もう何の魅力もないので、そろそろご退場願いたいところ。
ところでラッカライは当初男かと思ったが女だった。それもなかなかの美少女で、もちろんアリアケを愛するようになる。アリシアの使い魔のファンケルもアリアケに気がある様子。彼女らは互いの気持ちを知って牽制し合っているが、そのことで仲間割れを起こしたりはせず、表面的には仲良く付き合っている。天下の朴念仁のアリアケは、彼女らの気持ちに全く気付かず、みんな仲がよくて結構だと思っている。という、非現実的なハレム状態が形成されている。恐らく今後も新たな美女が登場するたびに彼を愛するようになるのだろう。
主人公を慕う女性が次から次へと表われ、主人公は全員を愛し、女性同士も仲良く収まっているタイプの「異世界もの」は枚挙に暇がない。強くやさしい者が慕われるのは世の習いではあるが、できればたった一人の人と深く結ばれ、他の人は離れていく展開が個人的には理想だ。



