鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「紫電改のタカ」2

  • ちばてつや「紫電改のタカ」2(コルク)

「週刊少年マガジン」1963年7月~1965年1月連載作品。電子版は2023年5月17日刊。一巻と同日だから、全巻一斉発売かな。

アメリカのグラマン戦闘機隊と激戦の末、次々に撃墜されてしまった七○一飛行隊だったが、滝たち四人は運よく小さな島に不時着して助かった。ところが、その島は敵の基地であることを知った四人は、捕虜として捕らえられながらも、島を爆破し、脱出に成功する。無事基地に戻って来た滝に、本国の源田指令から、至急松山基地へ帰れという無電が入っていた。敵機の中をかいくぐって、何とか松山へ辿り着いた滝だったが、視力を失ってしまい……!?(Amazonの紹介文より)

主人公の滝はどこか矢吹丈を彷彿させる。本巻では滝をライバル視するちょっとイヤな性格の黒岩が登場するが、これがウルフ金串そっくりで笑ってしまう。

戦闘員が整列しているところへ不意に敵編隊が襲撃して来て、空にいる見方機が反転上昇、下の連中が飛び立つまでの時間を稼ぐ……は「エリア88」でも見覚えのあるシーン。精鋭を集めた「剣部隊」自体がエリア88っぽい(ちょっと強過ぎるが)。戦闘に参加したいが機体を失った久保が米田を殴って気絶させ、「こいつは頭痛がひどくて戦闘に参加できんそうだ」と言って代わりに米田の機体に収まるシーンは、これまた「エリア88」でグエンがキムを殴って気絶させ、「キムは具合が悪くて飛べんとよ。俺が代わる」と言い放ったシーンを彷彿させる。まあ、どちらもありがちなシーンではある。

ちばてつやの作品は、「あしたのジョー」以降は「おれは鉄平」も「あした天気になあれ」も何度も読んで知っているが、ジョー以前は「ハリスの旋風」を子どもの頃に断片的に読んだだけ、まともに読むのは今回が初めてである。登場人物のやりとりが(表情だけでなく、セリフも)「あしたのジョー」を彷彿させる場面が多く、驚いている。セリフは高森朝雄のはずだが、ちばてつやがかなり自分流に改変していたのか。

カッコいいシーンもあれば、そこはかとないユーモアもあるが、戦記物だけに、底を流れる悲しさ、悲惨さは覆いようがなく、読んでいてあまり楽しいものではない。



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