- ちばてつや「紫電改のタカ」4(コルク)
兵曹長に昇進し、南方帰りのあれくれ飛行士達の隊長に命じられた滝。しかし、花田ら七人の部下たちはことあるごとに滝に嫌がらせをした。ミッドウェー海域に集結中の米国機動艦隊を壊滅せよ、と密命を受けた滝らは、南方の孤島に作られた秘密基地へ到着したが、最後に着陸しようとしていた宇津井機が敵の大群に発見されてしまう。基地の秘密を守るため、敵機の中で入っていく宇津井機を、黙って見ていられずに命令に背いて助けに行った滝は、隊長を首になってしまう。(Amazonの紹介文より)
上記の紹介文はほぼ3巻の終盤である。結果的に自分たちの4倍もの航空機を壊滅させられたからよかったが、一機でも射ち洩らしていたら秘密基地の存在が伝わり、壊滅させられていたところ。宇津井が「助けに来るな」と言ったのも頷けるが、12機で48機を攻撃し、一人の死傷者も出さずに壊滅させるとはエリア88の連中も驚きの腕っこきである。
唯一の負傷者は宇津井かと思われたが、なんと両手両足が義手義足であり、交換をしたら元気になった! 手の指先でかなり器用な作業もやっており、こんな高性能な義手はなかったはずだが、それよりも、これは「鉄腕キャンベル」だよなぁ……。作品を読み直さなくてもすぐにキャンベルの名前が出て来ることに苦笑してしまうが。
花田以下の「七人のさむらい」は気が荒く、滝らには当初から何かと突っかかっていたが、隊長に任じられた花田はいよいよきつく当たり出し、滝に特攻を命じる場面も。こうした花田に以前からの部下たちも「滝の方が腕が上だからねたんでいる」「この調子では俺たちも殺されかねない」と、次第に心が離れていく過程が興味深い。
それにしても、自分たちより数が上だったり性能が上だったりする相手に、作戦と勇気といくばくかのご都合主義で打ち勝っていくのはスポコン漫画の定番だが、戦争となると、よしやった、すごい! と単純に喜んではいられない。こんなに物量の乏しい状態でなぜ戦争をしなければいけないのか。武器弾薬が豊富にあれば戦争をしていい、というわけではないが。
目の前の敵は倒せても、結局戦線は後退を余儀なくされ、宇津井は秘密基地を自爆させる。

