鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「君が監督!」1

  • あじな優「君が監督!」1(ヤングマガジンKCスペシャル)

2025年9月19日刊。「ヤンマガWeb」にて2025年8月7日より連載開始。現在は「マガジンポケット」に移籍。

架空のプロ野球チームを舞台にした作品。野村謙二郎が激薦していると目にし、試しに読んでみた。ルールをよく知っている分、他のスポーツ漫画よりは読みやすい。

サターンズは10年連続最下位の弱小球団。オーナーが変わってからは拝金主義になりひたすらコストカット。これでは強くなるわけない。ついに監督のなり手がいなくなり、一般ファンの希望者の中からくじで決めることになり、就任したのが高校生の解良縁(けら・えにし)だった。

女性であり、もちろんプロ未経験。ただし物心ついた時からのサターンズファンで、各選手のいいところを熟知しており、常にポジティブに選手に接するところから、やる気なく腐っていた選手たちが、次第にモチベーションをあげていく……

令和版「野球狂の詩」だな、と思った。目の付け所は面白いと思う。ただ、縁が選手を良く知っているのは、試合をよく見ていて、しかもそれをよく覚えているからだが、「サターンズの試合はもちろん、サターンズに入る可能性のある選手もいるかと、他のプロチーム、高校野球社会人独立リーグ、メジャーマイナーアジアやヨーロッパのリーグも、全部」見ているというのはあり得なさ過ぎるの二乗だ。プロだけでも毎日6試合あり、録画ビデオを駆使したとしても全試合見るのは容易ではない。高校野球も、甲子園大会全試合ならわかるが、テレビ中継のない地方予選をどうやって見るのか。その上、メジャーマイナー……10人いたって無理!

なので、その点は無視するとして、現実に、5位→5位→最下位だったスワローズや、5位→6位→5位だったライオンズが、これといった補強もしていないのに現在は首位争いをしている。プロ選手、あるいはチームの力の差はわずかで、ちょっとしたきっかけがあればぐっと勝率が上がるというのはあり得ることなのかも知れない。