鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ちひろ」上

ちひろ 上

ちひろ 上

最近、ネットで「ちひろさん」の広告をやたらに目にする。安田弘之の作品はこれまで買ったことはないが、モーニング掲載作品である「ショムニ」は雑誌でそれなりに面白く読んでいたので、ちょろっと調べたところ「ちひろ」という作品の後継らしく、単行本で全2巻と短い話ということもあり、購入してみた。

主人公のちひろ性風俗店(ファッションヘルス)で働く風俗嬢である。安田弘之の筆致だからいやらしくはないが、結構はっきりと描かれるシーンもあり、生々しい話である。

「どんなダメ男も受け入れてあげる」という触れ込みだったから女神のような広い心と掌で男を転がしてく姿を想像していたのだが、友人に大金を騙し取られたり、本番行為を迫る客に殴られたり、ストーキング行為を繰り返す客を足蹴にしたらナイフで刺されたりと、あまり癒される感じではない。

うまく立ち回れず、割を食っている感じだが、性格に可愛げがないので庇護欲が湧くというわけでもなく、正直、なぜ彼女がお店でナンバーワンを張っていられるのかは謎である。

最後の描き下ろし掌編が意味深。盛り上がっている時に心のブレーカーがバチンと落ちてしまう時があるんだと。そしてちひろはぷちブルを辞めた。



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