2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧
菅原敬太「走馬灯株式会社」5 第16話(第2巻)では、ディスクを破壊してしまったために自分の人生を消すこととなるシゲキという男が登場する。走馬灯株式会社で見せられるディスクは単なる記録媒体ではなく、直接人生とリンクしているのだ。この時は、友人や…
菅原敬太「走馬灯株式会社」4 冒頭の、秘湯の温泉に旅行に行って殺されそうになる話、どんでん返しが素晴らしいし、最後のオチが恐ろしい。どんでん返しと言えば、第33話の園田沙希・都の双子姉妹の話も恐ろしい。第35話の家族会議の話、バラバラに見える家…
ドイル、深町眞理子訳「四人の署名(新訳版)」(創元推理文庫) ホームズもの第二弾。ようやく深町訳で読める(というほど深町に固執していたわけではないが)。七パーセント溶液で幕を開け、七パーセント溶液で幕を締める物語である。無聊をかこっていたワ…
バーネット、菊池寛訳「小公子」(小學生全集) 昭和2年発行の小学生全集(興文社刊)のスキャン版。こういうものがネットで読めるのは素晴らしい時代になったものだ。さて、過日「小公子」を読んだ際に、セドリックがアメリカを発つ前に、靴磨きのディック…
ドイル、駒月雅子訳「緋色の研究 新訳版」(角川文庫) この本を読み始めるまでには紆余曲折あった。先日、子供向けのホームズものを読んで、普通に訳されたものをちゃんと読んでみたいという欲がわいたが、はて、だれが訳したものにしようか。昔懐かしの延…
バーネット、奈街三郎訳「小公子」(少年少女世界の文学) 子供の頃に読んだことがあったが、どんな話かすっかり忘れていた。実に面白かった。セドリックは母親と二人、アメリカつましく暮らしている、親切で心優しい少年。ある日、絶縁していたはずの祖父か…
ドイル、梶竜雄訳「名探偵ホームズ」(少年少女世界の文学) 「あしながおじさん」があまり面白くなかったため、次は確実に面白いと思える作品を読もうと思い、ホームズものにしてみた。ホームズものは、もちろんよーーーーく知っており、どんな風に訳されて…
橋本智広、三好智樹「中間管理職トネガワ」9 最近は人気漫画の(作者以外の人が描く)スピンオフというかパロディというか、そうした作品が大流行(以前取り上げた「トキ外伝」などもそのひとつ)だが、その中でも本作の面白さはずば抜けている。作者の経歴…
小学館が1978年に発刊した「少年少女世界の文学」シリーズ全30巻が、二年前にkindleで再刊されたことは何かのニュースで見て気になっていた。物心ついた時からある時期まで、自分の読書量は、同年代の平均と比較すれば多い方だったと思うが、それでも本とい…
ウェブスター、森いたる訳「あしながおじさん」(少年少女世界の文学) たまたま知人と「あしながおじさん」の話題になり、タイトルと、おおよその話(貧しい少女がある篤志家の援助により上級学校へ進むことができるが、その篤志家は匿名だったため、彼女は…
伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」 映画の感想がまだ書けていないのだが、映画を見て原作の小説があると知り、興味を持って購入した。実は、映画がイマイチだったけど、原作はきっと面白いんじゃないかと期待したのだ。それで、率直に言うと、映画…
菅原敬太「走馬灯株式会社」1 - 3 面白そうだったのでとりあえず3巻まで買ってみた。面白かった。場所や時間を特定せず、それを必要とする人の前に超常現象が起きる。あるいは、超能力を持った人が現われる。そして、当人の希望によりその超常現象を体験する…
沖田×華「透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~」3 この巻の最初の話(第15話)の、透明ではなかった子供の話が胸を打つ。こういう愛情もあるのかと。ほかもひとつひとつ胸を打つ話だが、これ以上は書けない。透明なゆりかご?産婦人科医院看護師…
二ノ宮知子「GREEN」1 - 4 農家の人が主人公を「許せない」とコメントしているのが目に入り、そんなにひどい女だったかな!? と気になって再読。自分は農業に従事したことがないので本業の人の気持ちはわからないけど、そこまで変ではないと思った。和子は…
ウラモトユウコ「ハナヨメ未満」1~3 一年ほど前に一巻を読んだら面白かったので二巻も買ったのだが、後半でちょっとダレた感じがあり、三巻を買おうか迷っていた。久しぶりに読み返して、先も気になるから三巻(完結巻)を購入。婚約者の父が亡くなったため…
クール信者狂「ピーチボーイリバーサイド」1 「旦那が何を言っているかわからない件」は名作だと思っていて、調べてみたらこの作者は結構本を出しているようなので、一冊購入してみた。割と面白い。2巻を買うかどうか検討中。ピーチボーイリバーサイド(1) (…
小林まこと「JJM 女子柔道部物語」7 前半のハイライトは神楽えもと三好千歌の準決勝戦。ネタバレになるが、大方の予想通り、えもは積極的な攻勢に出て圧勝する。決め技は巴投げだが、(三好の恩師である)九戸かおり直伝の両足で蹴上げる九戸スペシャルで、…