- バーネット、菊池寛訳「小公子」(小學生全集)
昭和2年発行の小学生全集(興文社刊)のスキャン版。こういうものがネットで読めるのは素晴らしい時代になったものだ。
さて、過日「小公子」を読んだ際に、セドリックがアメリカを発つ前に、靴磨きのディックに、ジェイクとの「かたをつけるように」と言っていくばくかのお金を渡すシーンがある。ジェイクがディックに何を言ってきたのかについての説明はない。「かたをつける」というのがどういうことなのかもわからない。
いろいろ嫌がらせをしてきたが、まとまったお金を渡して、今後は構わないでくれと頼んだ……という程度に理解しておけばいいのだろうが、気になって他の訳を参照してみたくなり、本作にたどりついた。
ところが、本書は、随所にページの欠落があるのだ。
紛失したのか、虫食いなどで読むに堪えないと判断し削除されたのか不明だが、ページがないのは仕方ないとして、黙って飛んでいるのは(話が通じなくて)困る。原紙がなくても何らかの形で話がつながるようにできなかったか。そして肝心の、セドリックが「かたをつけにいく」シーンがちょうど欠けていたのだ。
青空文庫には「小公女」はあるのに「小公子」がないのも不明。
(2019/12/1 記)
過去記事
- 「小公子」(2019/11/25)