鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ヒビコレ 公民館のジョーさん」1

  • かたおかみさお「ヒビコレ 公民館のジョーさん」1(双葉社ジュールコミックス)

つかみどころのない作品。「働く女性」カテゴリーなのか? 何を期待しどう楽しめばいいのかよくわからないけど、絵柄には好感を抱き、話にもどこか惹きつけられるものがあった。

主人公はジョーこと大野城灯、中途採用で区民館で働くようになって一か月。彼女を取り巻く様々な出来事を描いた話。

第一話では、妊娠して周囲とうまくいっていない女性が、アドバイザーを招いてマタニティ交流会を開きたいといってジョーの元にくるが、非営利の会合にしか貸せないと言って断わる。その代わり、誰か一人友達を作ろう、そして懇親会をやろう、最初が愚痴会でいいじゃないと持ち掛ける。

この妊婦のミツコは、地元の人間だが、第二話で隣接する新興住宅街の主婦グループが開催する料理の会に参加することになった。そこで畑のにおいが臭い、農家の人に伝えてほしいと言われる。言われたミツコは、固まってしまう。一体どうしろと!?

この料理会、いろいろあって区民館でやったらどうかということになり、皆で見学に行く。その時にメンバーの一人が、ジョーに言うのだ。「農家の人に苦情入れたいんだけどそーゆー窓口ある?」「ありませんがどんな苦情でしょ」「宅地のとこまで畑のにおいがやってきて困っているんですよ」「ああ、だから土地代が安いんですよ

ジョーは、ていねいな時はていねいだが口が悪いときは悪い。そして言うべきことははっきり言う。ムカっとしながらも口に出せなかったミツコとは対照的な回答に、爽快感があった。

区民館というからには区なのだろうが、舞台は農家も多いちょっとした田舎町である(横浜にも田畑はたくさんあるけど)。ジョーは長く別のところで暮らしていたけど、もともとは地元民であり、昔の知り合いたちと協力して、この小さな町のためになることを少しでもやっていこうと考えている。という話のようだ。

ジョーの家族は祖母と弟。両親はいないようだがそのあたりの事情は不明。弟の鷹は学生ではないが仕事もしていない様子。鷹は祖母のことを「ばあちゃん」ではなく「梅ちゃん」と呼ぶ。いろいろ事情がありそうだが一巻では詳細不明。



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