単行本「モザイク事件帳」は2008年2月1日刊。文庫本は2011年10月22日刊。表題作ほか「氷橋」「自らの伝言」「更新世の殺人」「正直者の逆説」「遺体の代弁者」「路上に放置されたパンくずの研究」所収。
蔵書の再読。もっとも、読んだ記憶がないのだが、新刊で買っている。
犯人当て、倒叙、安楽椅子、SF、……様々なタイプのミステリーを並べている。けど、自分が考えるに、全部バカミスだなあ。それが悪いと言っているわけではないが。
2024年8月9日刊。「コミックアース・スター」2024年1月~5月掲載。発売と同時に購入したが、記事にしそびれて今ごろになってしまった。そろそろ17巻が出るのでは?
今回はあまり脇道にそれることなく、織田包囲網がじわじわ締まるところを描いてある。対する信長は静子が頼り。静子の画策は新型銃だけなのか? 新型銃の威力はすごいが、それが百丁ほどあったところで焼け石に水だと思うが、これまで時間をかけて必死に三方ヶ原の地形を調べていたのは何のためか? つに戦闘の火ぶたが切られるところで次巻へ。殺生な。
足満さんの真意も気になるところだ。
2024年7月17日刊。「強制霊媒師・斎」シリーズ第15巻。発売と同時に購入したが、記事にしそびれて今ごろになってしまった。
霊的に厭なものを振り払うのにえっちなことを考えるのが効く、というのは型破りだが妙に納得させられる。推し活でも萌えでもいいけど。要は好きなことに熱中している時はいいエネルギーが出るということなんだろう。
本人はサバサバした(性格のよい)女のつもりだけど、実はすごく性格が悪い人のことを「鯖女」と言うらしい。この命名は「ワタシってサバサバしてるから」(2020年~)からかと思うが、こういうタイプの人が問題視される風潮はもう少し前からあった気がする……。本作では斎が指摘しただけで本人は受け入れず、その後の顛末も描かれない。この人がその後どうなったのかは興味がある。
著名な芸能人から斎に専属契約の依頼が……。霊能者に依存してはダメだと突き放すが、賃貸物件の更新の知らせが届き、更新料の捻出に頭を悩ませるのだった。最後はお約束のボケだけど、「相談はいいけど依存してはダメ」は強い言葉だ。
斎の指導霊は細川ガラシャだった! 信長はいい男で本能寺は秀吉の陰謀で秀頼は秀吉の子ではなく、ガラシャとして死んだのは次女の身代わりで本人は65歳まで生きた。斎が「視た」だけで証拠はない……。
神社へ行ったら神社の前で待機していたタチの悪いのに取り憑かれてしまった男性の話。医師が匙を投げて斎が治したのだが、斎は「だから医者は信用できない」みたいなことは言わない。具合が悪くなったらまず病院へいくべき」と主張してくれるのは至極真っ当でよき。これは斎の強い信念なのか、作家あるいは出版側の事情が加味されているのかはわからないが、無闇にこうした内容を妄信してしまう人も世の中にはいるから、非常に適切な助言だと思う。
作品としてはとても面白い。さて、16巻は出るだろうか。
2024年9月30日刊。発売と同時に購入したが、記事にしそびれて今ごろになってしまった。急がないと、間もなく次巻が出てしまう。
真紀は情報収集のため、ボス格の瑠美に接触。瑠美はテストと称し自分の配下にあった今日子を殺すよう真紀に命じた。瑠美は自分に内緒で小遣い稼ぎをしていた今日子が許せないのだ。
真紀は、かねてから考えていた脱出経路として、「ゴミに紛れて外に出る」の可能性を試すため、今日子を実験台にすることにする。今日子に、自分が手を下さなくても、どの道アンタは瑠美に殺される、それならこの方法に賭けるか。うまくいく保証はない、と話すと今日子は応じた。
早苗に協力させ、食堂のダストシュートからもぐり込む真紀と今日子。途中、脱走がバレたことに気付いた真紀は引き返すが、馬場以下の職員が待ち構えており、捕まる。強行した今日子は粉砕機に飲み込まれた……。
真紀、早苗、今日子の三人が(当人の希望で)一斉に炊事班に移ってきたら、誰だって怪しいと思う。注目されているとは思わなかったのかな。今日子一人にダストシュートにもぐり込ませ、自分は知らん顔で普通に生活していたらよかったのに。それではフィードバックが得られず、実験台にならないか……。
さて、これ以上ないほど明確な証拠を残して真紀が捕まった。救われる道はあるのだろうか? あと10日で7巻発売。それにしても結構壮大な物語になってきた。最終的には何巻くらいまでいくのだろう。
2023年11月29日刊。WEBコミック誌「コミックライドアドバンス」2022年7月号~2023年9月号掲載。
白石星里奈は秋月靖彦が女性に乱暴狼藉を働いたと勘違いし、剣で斬りつけるが、もちろんそれは間違いで、秋月は襲われていた女性を助けたところだった。
星里奈が誤解から秋月に暴力を振るうのはこれが三度目。一度目は動転していたから、二度目は状況的に致し方ない部分もあるとはいえ、相手の言い分に耳を貸さず一方的に暴力を振るうのはとても勇者の振る舞いではない。まして今回は三度目なのだ。軽症で済んだとはいえ秋月もケガを負わされているわけで、腹を立てるのは当然である。
だからといって、身体で償えというのはやり過ぎだ。なんで星里奈がこのような誤解をしたかといえば、秋月を「性犯罪を今にもおかしそうなキモイおっさん」だと思い込んでいたからで、それの良し悪しは別として、そのような相手と行為をさせられるというのがいかに屈辱的なことであるか。だからこそ罰になる、とも言えるが、それならいっそのこと命を以て贖うことにさせた方がましだ。それでは秋月の側にメリットがないと言われれば、それまでだが。
また、スカトロスキル発動のシーンは、ギャグとしても少々お寒い。さらりと触れる程度ならともかく、こんなにページを割く話かと思う。
タイトルの「無双」が「女性に対して」という意味ならそろそろタイトル回収されてきた感があるが、戦闘に関しては「まだまだ」。秋月のパーティで最も戦闘力があるのは剣術指南の道場主の娘であるイオーネで、序盤の盗賊相手の立ち回りはカッコよかったが、一瞬で終わってしまったのは残念だった。そういうところをもう少し描いてほしいものだ。
2023年9月13日刊。
無事に結ばれた二人は、一緒に銭湯に行ったり、背広を作りに行ったり、散歩をしたり、穏やかな二人の生活を……しばしの陸での生活を楽しむ。が、二人の写真撮影をした時に、写真が翌日にできると聞いて「一緒に受け取りに行きましょう」と言いかけたなつ美に、瀧昌は「送ってください」。また海へ出てしまうのだ。
海軍兵を夫に持つ妻たちの集まり「花筏の会」にも入会。妾がいたり親しい芸者がいたりといった先輩方の話を聞いて怯えるなつ美だが、「全員がそうじゃない」とも聞き、瀧昌さんは大丈夫だと確信するなつ美。と、そこへ秋山潤子が、過日、嵐の大波で艦が横転して沈んだ話を持ち出し、気が気じゃない、他の人はよく平気だと口にする。それを聞いたなつ美は……というところで3巻が終わり。
いつまでもきゅんきゅんしているわけにはいかない。軍人の妻は大変だ。
2022年4月28日刊。
秋月靖彦は購入した美少女奴隷を(一応は)大切にし、きちんと食べさせ、病気を治し、綺麗な服も購入してやる。が、元気になったところで致し、晴れてDTを卒業するのだった。
同じ世界から同時期に召喚された他の「勇者」たちとは一巻で別れてそれっきりかと思ったが、本巻で合流。久しぶりに再会した(だけの)白石星里奈が秋月にあれこれ差し出がましいことを言う。これって今後も絡んでくるキャラクターか? 星里奈も秋月が好きなのか?
転生させられる羽目になった女神は本巻でもしばしば登場する。秋月の脳内での話かと思ったが、本物の女神と実際にやり取りをしているように読める。だとすると、毎回エロいことをさせられているのは何故だろう。転生に関して負い目があるとしても、いつまでもいいなりになる必要はないはずだが。
だいぶエロい話が出ては来たが、まだ「無双」には程遠い。