- 矢薙「悪霊を退治する人の話」
1巻は2020年4月29日刊、2巻は2020年6月18日刊。1巻は104ページ、2巻は92ページ。
主人公・聖太陽は悪霊に憑かれて困っている人から悪霊を祓ってくれるが、その悪霊を脅して配下とし、自分の目的のために利用するのだった……例えば、対象者だけに聞こえる足音を発生させる悪霊は、目の見えない人に取り憑いて盲導犬代わりに。生物の身体を乗っ取り操ることができる悪霊は、リハビリ中の患者に取り憑いてリハビリを支えるように。……
継母に対してどうしても「お母さん」と言えない女の子が、その言葉を言うために悪霊の力を借りに来る話が秀逸。
禍々しい設定と主人公の禍々しい表情とは裏腹に、悪霊がストレートな善行をするようになる話。ギャップ萌え。聖太陽に憧れて悪霊退治を手伝うショウコの存在も可愛い。
1巻は連作短編だが、2巻は、1巻それぞれのエピソードを繋ぎ合わせて一つの話にしたもの。なかなかよくできており、特にショウコの正体がなかなか考えさせるが、没になったとのことでネーム状態なのが残念である。これ、誰か別の漫画家が漫画化しないかな。