鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「投手論」

2013年4月1日刊。

少し前に「プロ野球 vs メジャーリーグ 戦いの作法」という本を読んだが、その前にさらに本を書いていた。注文して届いたのでさっそく読む。

自身のエピソードだけでなく、チームメイトも含めた興味深いエピソードにまじって、投手にとって一番大事なのはコンディションを整えること、といった信念や、日本では~のように教わるがアメリカでは~のように言われる、これはアメリカの方が正しい、といったピッチング理論に関するあれこれ。

とても興味深い本である。

メジャーに行くためにFA宣言をした時、日本のチームからも誘われた。条件が一番よかったのがジャイアンツで、4年12億と言う提示だったが、メジャーを選んだエピソードは重要。結局メッツに入団したが条件は20万ドル(2400万円)。本人も「ショックだった」とは書いているが、それでもメジャーを選んだわけだ(翌年は二年500万ドルの契約になったそうだから、ジャイアンツと同じにはなった)。

大谷翔平が25歳になる前にMLBへ行き、日本で2億7000万だった年俸が、2018年は54.5万ドル(約6000万円)、2019年は65万ドル(約7000万円)と低く抑えられたことに、25歳を過ぎてから行けばもっと高額の契約ができたのに、と批判する人が少なからずいたが、なんでそんなもののために二年待たないといけないの? と思ったものだったが、吉井も「お金がすべて」ではなかった。こういう点がむしろプロらしいと思う。

プロ野球 vs メジャーリーグ 戦いの作法」と重複するエピソードが多い。まあ、一年で二冊、同傾向の本を書いたのだから致し方ない。二冊出す必要あった?