- 原作・夾竹桃、平沢下戸、作画・沢田一「戦国小町苦労譚 農耕戯画」14(アース・スターコミックス)
2023年9月13日刊。「コミックアース・スター」2023年3月~7月掲載。
静子は三方ヶ原の戦いに完全に照準を置いた。史実では家康が(信長からの援軍を含め)惨敗するが、静子はここで勝つつもりで一年以上前から時間をかけて大々的な土地の測量を行なう。さらに新型銃の開発にも力を入れ、完成する。
項目 | 火縄銃 | 新型銃 |
---|---|---|
有効射程距離 | 100m | 830m |
発射速度 | 毎分2発 | 毎分9発 |
初速 | 330m/s | 420m/sec |
本気の武田を完膚なきまでに叩き潰したとなれば、織田軍は日本中に怖れられ、以後は戦わずして勝つことも容易になるだろうという作戦である。
一方、武田軍の強さは、一人で尾張兵5人に匹敵すると言われていた。
この5倍というのは、話がどんどん大げさになっていただけで、実際にはそこまでの違いはなかっただろうと思う。ある個人が(例えば森可成が)5人を相手に勝つ、10人を相手に勝つというのはあり得るだろう。しかし何千、何万という兵の全員が平均的に高い能力を持っていたとしても、そこまでの差にはならないはずだ。むしろ静子のいる尾張兵は、現在では栄養状態もよく、合理的なトレーニングで鍛えられており、武田兵の倍くらいの能力を持っていてもおかしくない。
これまでの戦の描写では、新型兵器や静子の先読み能力(歴史を知っているから)ばかりが大きく描かれるが、兵一人一人のポテンシャルを引き上げたことが、実は一番大きいのではないかと思う。
静子の能力を探るため、上杉からは与六(のちの直江兼続)が送り込まれてきた。与六は静子をどう見るか……