鞄に二冊

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「戦国小町苦労譚」5

  • 原作・夾竹桃、平沢下戸、作画・沢田一「戦国小町苦労譚 農耕戯画」5(アース・スターコミックス)

2019年10月12日刊。「デジタル版コミックアース☆スター」2019年3月~9月掲載。原作はライトノベル

静子は蒸留酒を作るために蒸留器を製造、信長にアルコールの説明をしたところ、量産するよう命じられる。

尾張三河の間で大規模綿花栽培の正式な協定が結ばれ、その話し合いが行なわれた。知識を秘匿・独占するのが当然の時代に有益な情報を共有しようとする静子に疑念の声があがるが、静子は「綿花を広め、子どもの死亡率を減らし、百姓一揆を防ぐため」と即答。そしてデモンストレーションとして綿花製の布団を作成し、寝てもらう(現在のような布団が登場したのは明治以降で、それまでは寝むしろ・寝ござで「ふかふか」とは無縁だった)。大規模に綿花栽培を行なえばいずれ他国にも知られるだろうが、「天下統一されたのちの世で」みなが冬を暖かく過ごせたらと語る静子だった。

さらに静子は硝石(すなわち火薬)の開発に成功(これまではもっぱら南蛮からの輸入に頼っていた)。

信長は足利義昭を奉じ、ついに上洛。従わない六角氏に戦を仕掛ける。静子にも召集がかかる。ここで静子は「兵站」について説く。これまでの戦は荷物は小荷駄で運び、食糧が尽きれば戦は終わるというものだった。兵站が導入されれば継続的に戦闘が可能だと。それを聞いた信長は、静子のこれまでの行動はすべてこのためだったかと早合点する。農業の改革を行ない安定した制作力を手に入れ、国の生産力を高め、最後に「兵站」を組み込む。これぞ「富国強兵」と……

さらに静子は持ち運び式のシンプルな「火起こし」を広める。アルコール+簡易携帯火起こしのセットで、信長は六角氏を一日で落とすのだった。

その戦の様子を窺っていた男二人が、史実より一日早い、それにこの時代にはないはずの農作物が終わりから出回っている、静子は織田のところにいる、と呟く……。この二人は前巻のラストに登場した人物か? なぜ静子の存在を知っている?



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