鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「平和の国の島崎へ」5

  • 原作・濱田轟天、漫画・瀬下猛「平和の国の島崎へ」5(モーニングコミックス)

2024年3月22日刊。発売日に即、購入。

SATAと名乗る少年が本巻の主人公だ。祭りの日にお神輿を担ぎたいと申し出て断わられ、何とか町に溶け込みたいと、ボランティアでゴミ拾い活動を始めるも、迷惑だからやめろと言われてしまう。次に壁の落書きを消そうとするが、自分で描いたのではないかと疑われる。何やらかわいそうだが、本気でゴミを拾って町をきれいにしようと思っているわけではなく、そのため掃除をやめると掃除用具をそこら辺に捨てていく。そういうところを町の人は見ているので、信用されないのである。

島崎は彼らに見捨てておけない何かを感じ、何かと親切にしてやる。SATAも島崎には懐く。

実はSATAらはLELの下部組織に所属し、戦闘員としての訓練を受けているのだった。子どもだけで地元のヤクザの事務所に殴り込みに行くことを命令され、少数の少年だけでヤクザを壊滅させてしまう。が、ヤクザ組織にバレて、さらわれてしまう……

島崎はSATAにかつての自分を見た。SATAに関わると自分も危険だし、周囲も危険に巻き込むリスクがあるのは承知の上で、彼をほっておくことができない。島崎は彼を救えるのか。

島崎がだんだん人間性を取り戻していくところが泣けるが、彼は本当に近い将来戦場に戻ってしまうのか。