鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「平和の国の島崎へ」2

  • 原作・濱田轟天、漫画・瀬下猛「平和の国の島崎へ」2(モーニングコミックス)

2023年3月23日刊。

本巻では、島崎がアルバイトをしている喫茶店の経営者の息子のエピソードが最も面白かった。

親の期待に応えられず、大学受験に失敗したのを機に家出を決行。何年か苦労し、借金も重ねた挙句に、ビジネスパートナーと出会う。ここで大きく儲けて人生を逆転させようと、自宅に戻って親に謝罪し、家からくすねた金を返し、自分の事業への投資を呼びかける。父親は、それは詐欺だ、そういう人たちとは縁を切れと言い聞かせるが、なぜ自分の言うことを何もわかってくれないんだと家を飛び出す。

息子は典型的な莫迦だが、一瞬で胡散臭いのを見抜く親はさすがだ。伊達に商売を長く続けていない。結局、親を騙すのに失敗した仕掛け人らは、息子を人質に親から金を巻き上げる方針に変更。足の指を切り取って親へ送るのだが、それに気づいた島村は……

その後の島村の無双は、いわば付け足し。こんな息子でも親は心配し、何とかしようとする。その親心に泣ける。



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