鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「僕の小規模な生活」1

本作でメジャーデビューということになるか。内容的には「僕の小規模な失敗」の続きで、まだ漫画家としての基盤は全くできておらず、妻が働いて生活する日々。相変わらず暗い話だが、作品には前作のような暗さがない。結婚したことで、精神的にかなり安定したように見えるが、漫画家としても、絵柄が安定し、コマ割りや話の運びも進歩が見られ、読みやすくなった。が、これに関しては編集者から相当なサジェッションがあったようである。

メジャーの編集者というのは、こうやって漫画家を育てるのか。

僕の小規模な失敗」のような作品は、アックスには載せられてもモーニングには載せられないだろう。漫画家として成長の跡が見られるのは事実である。「わかりやすく描く」ということを、本作を通じて福満が身につけたのであれば、作者にとっても意義があったことになる。

ただ、好き嫌いで言えば、「僕の小規模な生活」より「僕の小規模な失敗」の方が、僕は好きである。



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