鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

2013-01-01から1年間の記事一覧

「純平、考え直せ」

奥田英朗 「純平、考え直せ」(光文社文庫、お36-3) チンピラ純平は、親分に命じられて鉄砲玉を務めることになった。決行の日まで3日間……街で拾った女の子に殺しの話をすると、彼女がすぐにネットの掲示板にそのことをアップ。スレには多くのコメントが寄せ…

「謎解きはディナーのあとで2」

東川篤哉 「謎解きはディナーのあとで2」(小学館文庫、ひ11 2) 連作短編ミステリ。2が文庫化されていた(のに気づいた)ので購入。1を読んだ時はドラマ化される前だったが、今回は映画を観てしまったからもういけない。風祭刑事は椎名桔平の顔しか思い浮か…

「ifの幕末」

清水義範「ifの幕末」(集英社文庫 し22 23) 幕末に鎖国をやめて開国する際、不平等条約を結ばず、フェアな契約のもと、前向きに開国していたらどうなったか、という設定の歴史の本。途中まではほぼ史実通りなので、引き込まれる。ただし、不平等条約がなけ…

「南海ホークスがあったころ」

永井 良和、橋爪 紳也「南海ホークスがあったころ 野球ファンとパ・リーグの文化史」(河出文庫、な26-1) ファンの視線で綴った球団と日本プロ野球の歴史だが、「文化史」と名乗っている通り、単に誰かの印象による話をまとめたような曖昧な話ではなく、か…

原作の「ラブクラフト・ガール」はさらに面白い

シンマミサ、「ラブクラフト・ガール」(エルシーラブブックス)[Kindle] 映画の「ラブクラフト・ガール」を観て、原作漫画があることを知り、そして原作漫画にはえっちなシーンがあるらしいことがわかり、買ってみることにした。ちなみにこれが初の Kindle …

「FOR RENT ―空室あり―」

森谷明子「FOR RENT ―空室あり―」(幻冬舎文庫 も-15-1) 衝動買いはなるべくしないようにしているのだが、目についてしまい、どうしても読みたくなって買ってきてしまった。作者も全く覚えがない人なのに……最初に大きな謎が提示されて、主人公がそれを解こ…

「誰も書かなかった 清須会議の謎」

小和田哲男[監修]「誰も書かなかった 清須会議の謎」(中経の文庫 お-10-3) 発行は2013年9月なので、映画の公開前だが、三谷氏の小説がソコソコ評判になり、映画化の話も進んでいるところから企画が立てられたのだろう。小和田氏は監修になっていて、実際に…

映画の余韻に浸る「清須会議」

三谷幸喜「清須会議」(幻冬舎文庫 み1-5) 映画はオリジナル脚本家と思っていたが、それに先立つ小説があったようだ。三谷氏が「小説と映画はアプローチを変えているので、両方楽しめます」と言っていたため、試しにと買って読んでみた。滝川一益を待ってい…

小夜しぐれ

高田郁「小夜しぐれ みをつくし料理帖」(ハルキ文庫 時代小説文庫 た19-5) 第一話、種市の別れた妻登場。おつるの死の真相判明。 第二話、吉原の花見の宴の料理を澪が担当することに。 第三話、伊勢屋のじゃじゃ馬娘・美緒は、源斉を一途に思っていたが、…

「凶悪 -ある死刑囚の告発-」

新潮45編集部編「凶悪 -ある死刑囚の告発-」(新潮文庫) 内容はおおむね映画の通りだが、重要な点がふたつ、映画と異なっていたのでびっくりした。映画では、主人公は死刑囚の言うことは信用するが、編集長が記事にすることを認めない。芸能ネタとか、もっ…

今朝の春

高田郁「今朝の春 みをつくし料理帖」(ハルキ文庫 時代小説文庫 た19-4) 第一話、澪が美緒に料理を教えるが……。澪の横恋慕の相手・小松原の母登場 第二話、戯作者・清右衛門、あさひ大夫の謎を探る 第三話、伊佐三(おりょうの夫・太一の父)に浮気疑惑が …

本当に江戸の浪人は傘張りの内職をしていたのか?

山田順子「本当に江戸の浪人は傘張りの内職をしていたのか?」(実業之日本社、JIPPI新書) 2008年12月刊。やたらに「篤姫」の例が出てくるけど、著者は篤姫の時代考証にも関係していたのか?本当に江戸の浪人は傘張りの内職をしていたのか?―時代考証でみる…

想い雲

高田郁「想い雲 みをつくし料理帖」(ハルキ文庫 時代小説文庫 た19-3) 第一話、坂村堂の料理番(富三)はもと天満一兆庵の奉公人だった。佐兵衛失踪の謎が明らかに。 第二話、吉原の翁屋で澪が鱧料理の腕をふるう。 第三話、つる屋では又次の協力を得て月…

花散らしの雨

高田郁「花散らしの雨 みをつくし料理帖」(ハルキ文庫 時代小説文庫 た19-2) 第一話でふき登場。登龍楼からスパイを強要されるがバレて澪に取り込まれる。第二話、相模屋の留吉登場。上質の味醂。あさひ大夫が大けがを負う。第三話、つる屋に悪さを仕掛け…

川崎尚之助と八重

あさくらゆう「川崎尚之助と八重」(知道出版) NHK大河ドラマで八重が主人公に決まり、川崎尚之助の研究も急に進むことになった。これまで会津戦争のさなかに行方不明となり以後消息不明とされてきた尚之助の生涯を筆者が徹底的に調査し、その結果、会津戦…

八朔の雪

高田郁「八朔の雪 みをづくし料理帖」(ハルキ文庫 時代小説文庫 た19-1) みをづくし料理帖シリーズ第一作。手許にあったので何気なく読み始めたのだが、作者名も題名も記憶にない、初めて読む作品だと思ったのに、中身はあちこちデジャブ。八朔の雪―みをつ…

おかあさんの扉

伊藤理佐「おかあさんの扉」(オレンジページ) おかあさんの扉 (オレンジページムック)作者:伊藤理佐発売日: 2012/02/17メディア: 単行本伊藤理佐を初めて読んだのは「幸福のススメ」だった。「まんがくらぶ」に連載されていて、それで伊藤理佐という名前を…

インビジブルレイン

誉田哲也「インビジブルレイン」(光文社文庫) 映画を観たので原作も読んでみようかと。玲子が牧田に恋愛感情を持つに到る経緯は、小説はくどい。映画では、それまでなんの素振りも見せなかった玲子が、牧田をじっと見つめたあと、自分からキスをせがむシー…

ストロベリーナイト

誉田哲也「ストロベリーナイト」(光文社文庫) 誉田哲也「ソウルケイジ」(光文社文庫) ドラマにハマったので原作も読んでみようかと。小説としての面白さはあまり感じられず、誉田哲也の他の作品を読んでみようという気にはなれないでいるが、ドラマの解…