- 高田郁「今朝の春 みをつくし料理帖」(ハルキ文庫 時代小説文庫 た19-4)
第一話、澪が美緒に料理を教えるが……。澪の横恋慕の相手・小松原の母登場
第二話、戯作者・清右衛門、あさひ大夫の謎を探る
第三話、伊佐三(おりょうの夫・太一の父)に浮気疑惑が
第四話、登龍楼とつる屋の直接対決
相変わらず面白いが、少しダレてきた感がなくもない。元々の謎、佐兵衛はどこへ行ったのか、野江はなぜあさひ大夫になったのか、そのあたりが全く進展しないからだ。もっともそれが進展してしまっては、シリーズが終わってしまう。
いつまでも引っ張り続けるのは自分は好きではないので、そのあたりはちゃんと決着をつけて「第一部・完」とし、新たに「第二部・澪の野望編」をスタートさせてはどうか。これはつる屋が料理番付で大関を取り、名実ともに江戸一番の料理店になるまで。そのあとは「第三部・天満一兆庵の再建」。その間にはアラカルトで澪の恋の行方が描かれるだろうし、スピンオフで太一の成長譚、ふきと健坊の兄弟物語もある。いずれにしても壮大な話にはなるだろうから。