単行本は2003年12月1日刊。文庫本は2006年11月15日刊。
蔵書の再読と言いたいところだが、蔵書ではあるのだが読んだ記憶が全くない。つんどくも確かに多いけど、新刊で買っておいて、しかも、いかにも(タイトルや装丁が)自分が買いそうな本なのに、全く読まないなどということがあるだろうか。買って20年経っていない。いくらなんでも読んだら何かしら記憶に残りそうだがまるっと忘れてしまったのだろうか。
「ピアノ・サンド」「ブラック・ジャム」「方南町の空」の三編収録。「方南町の空」はあとがきとなっているが、これはこれで一編の掌編を読んでいるような内容なので、ここでは三編としておく。
「ピアノ・サンド」「ブラック・ジャム」は大人の女性の恋が描かれる。繊細な心理の描きようはとてもよい。しかし、どちらの人物にも、もう少し男を見る目を養うよう忠告したい。ダメンズの素質がある。