鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

小説

「のぼうの城」

和田竜「のぼうの城」上・下(小学館文庫) のぼうの城 上 (小学館文庫)作者:和田竜小学館Amazonのぼうの城 下 (小学館文庫)作者:和田竜小学館Amazon原作小説を読んでしまった。読みやすい文体で一気呵成に読了。時代小説の書き方として、しばしば未来のこと…

「マイ国家」

星新一「マイ国家」(新潮文庫) マイ国家(新潮文庫)作者:星 新一新潮社Amazon野暮を承知で表題作にマジレスしてみる。国家の三要素は国民・領土・主権で、作中でマイ国の首脳は三番目を「政府」というが、まあ同じことだろう。この三つがあれば国家として…

「おのぞみの結末」

星新一「おのぞみの結末」(新潮文庫) おのぞみの結末(新潮文庫)作者:星 新一新潮社Amazon「ボッコちゃん」は50編、「ようこそ地球さん」は42編、「ボンボンと悪夢」は36編、「悪魔のいる天国」も36編収録されているが、本作は11編。星新一的には非常に少…

「悪魔のいる天国」

星新一「悪魔のいる天国」(新潮文庫) 悪魔のいる天国(新潮文庫)作者:星 新一新潮社Amazon読んだことのある話があるなあと強烈な既視感があった。星新一の小説は若き日に一度は(あるいは、二度三度)読んでいるから、覚えがあるのはおかしくないが、そん…

「ボンボンと悪夢」

星新一「ボンボンと悪夢」(新潮文庫) ボンボンと悪夢(新潮文庫)作者:星 新一新潮社Amazon中学一年生の時、級友から「これ、面白いから読んでみろよ」と言って貸してもらったのが本書。これが僕の初の星新一体験だった。星新一という作家の名を、それまで…

「ようこそ地球さん」

星新一「ようこそ地球さん」(新潮文庫) ようこそ地球さん(新潮文庫)作者:星 新一新潮社Amazon「ボッコちゃん」と対になる初期作品集。アマチュア時代の習作(をリライトした)「小さな十字架」や商業デビュー作「セキストラ」、また、異色の長いショート…

「ボッコちゃん」

星新一「ボッコちゃん」(新潮文庫) ボッコちゃん(新潮文庫)作者:星 新一新潮社Amazon「にぎやかな未来」の解説を読んで、星新一という作家がいたことを思い出した。昔は本当に好きで、文庫本で出た著書はほとんどすべてもっているはずだ。読み直したいと…

「にぎやかな未来」

筒井康隆「にぎやかな未来」(角川文庫) にぎやかな未来 (角川文庫)作者:筒井 康隆KADOKAWAAmazon筒井康隆の「大いなる助走」を読んで深く感動し、若い頃に筒井康隆を読み漁った当時のことを思い出した。文庫本で入手できる本はすべて買い、読みふけった。3…

「大いなる助走」

筒井康隆「大いなる助走」(文春文庫) 大いなる助走 (文春文庫 (181‐3))作者:筒井 康隆文藝春秋Amazon筒井康隆が本年度の日本芸術院賞・恩賜賞を受賞したことをブログに書き、「大いなる助走」に言及したら、急に再読したくなった。それで30数年ぶりに読み…

「シャーロック・ホームズの蒐集」

北原尚彦「シャーロック・ホームズの蒐集」(創元推理文庫) シャーロック・ホームズの蒐集 (創元推理文庫)作者:北原 尚彦東京創元社Amazon北原尚彦が自身もパスティーシュを書いているというので、購入してみた。まあ、面白いことは面白い。なんにしても、…

「ビブリア古書堂の事件手帖」

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon栞子が娘の扉子に語って聞かせるという体の物語で、扉子…

「ビブリア古書堂の事件手帖」7

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon一応完結。6巻の感想で「血縁関係が入り組んでいてわか…

「ビブリア古書堂の事件手帖」6

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon篠川智恵子がラスボスなのかと思ったが、もっと邪悪な久我…

「ビブリア古書堂の事件手帖」5

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon栞子の母である篠川智恵子の存在がどんどん大きくなってい…

「ビブリア古書堂の事件手帖」4

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazonシリーズ初の長編である。これまで短編が三話あったため、テレ…

「ビブリア古書堂の事件手帖」3

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazonこの巻のプロローグとエピローグのブックエンドはこれまで…

「ビブリア古書堂の事件手帖」2

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon本巻は未読だと思っていたが、第一話の読書感想文の話は記…

「ビブリア古書堂の事件手帖」

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖(1) (角川コミックス・エース)作者:三上 延,ナカノ,越島 はぐKADOKAWAAmazonふと、文庫本を自分が所持していることに気付いた。映画を見…

「博士の愛した数式」

小川洋子「博士の愛した数式」(新潮文庫) 博士の愛した数式(新潮文庫)作者:小川洋子新潮社Amazon昨日、映画のことを思い出していたら猛烈に原作が読み返したくなり、kindleで購入して読み始めた。面白い。素晴らしい。これはとてもよくできた小説であり…

「意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語」

氏田雄介「意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語」(イラスト:佐藤おどり) 意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語作者:氏田 雄介PHP研究所Amazon一時期、54文字専用の原稿用紙を使い、物語を作ってSNSに投稿するのが流行っていたこ…

「シャーロック・ホームズの冒険」

ドイル、石田文子訳「シャーロック・ホームズの冒険」(角川文庫) シャーロック・ホームズの冒険 新訳版 シャーロック・ホームズ (角川文庫)作者:コナン・ドイル,石田 文子KADOKAWAAmazon角川文庫のホームズシリーズで、本作のみ石田文子の訳である(ほかは…

「スパイ王者」

ドイル、山中峯太郎訳「スパイ王者」(底本:ポプラ社、発行:くぇい兄弟社) スパイ王者 名探偵ホームズ全集 (山中峯太郎ホームズ)作者:コナン・ドイルくぇい兄弟社Amazonドイルの訳本をずっと検索していたら、山中峯太郎版が電子化されているのに気付いた…

「シャーロック・ホームズの冒険」

ドイル、深町眞理子訳「シャーロック・ホームズの冒険」(創元推理文庫) シャーロック・ホームズの冒険 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)作者:アーサー・コナン・ドイル東京創元社Amazon深町訳を購入し、読み始めてしまったため…

「緋色の研究」(サンプル)

ドイル、深町眞理子訳「緋色の研究」(サンプル) 11月26日に書いたように、「緋色の研究」は深町訳が読めず、駒月訳で読んだ。その後Amazonからの返金処理も滞りなく済み、ふとサイトを見ると再購入できるようになっている*1。もちろん再購入して読めなけれ…

「四人の署名」

ドイル、深町眞理子訳「四人の署名(新訳版)」(創元推理文庫) ホームズもの第二弾。ようやく深町訳で読める(というほど深町に固執していたわけではないが)。七パーセント溶液で幕を開け、七パーセント溶液で幕を締める物語である。無聊をかこっていたワ…

「小公子」

バーネット、菊池寛訳「小公子」(小學生全集) 昭和2年発行の小学生全集(興文社刊)のスキャン版。こういうものがネットで読めるのは素晴らしい時代になったものだ。さて、過日「小公子」を読んだ際に、セドリックがアメリカを発つ前に、靴磨きのディック…

「緋色の研究」

ドイル、駒月雅子訳「緋色の研究 新訳版」(角川文庫) この本を読み始めるまでには紆余曲折あった。先日、子供向けのホームズものを読んで、普通に訳されたものをちゃんと読んでみたいという欲がわいたが、はて、だれが訳したものにしようか。昔懐かしの延…

「小公子」

バーネット、奈街三郎訳「小公子」(少年少女世界の文学) 子供の頃に読んだことがあったが、どんな話かすっかり忘れていた。実に面白かった。セドリックは母親と二人、アメリカつましく暮らしている、親切で心優しい少年。ある日、絶縁していたはずの祖父か…

「少年少女世界の文学 名探偵ホームズ」

ドイル、梶竜雄訳「名探偵ホームズ」(少年少女世界の文学) 「あしながおじさん」があまり面白くなかったため、次は確実に面白いと思える作品を読もうと思い、ホームズものにしてみた。ホームズものは、もちろんよーーーーく知っており、どんな風に訳されて…

「あしながおじさん」

ウェブスター、森いたる訳「あしながおじさん」(少年少女世界の文学) たまたま知人と「あしながおじさん」の話題になり、タイトルと、おおよその話(貧しい少女がある篤志家の援助により上級学校へ進むことができるが、その篤志家は匿名だったため、彼女は…