鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「女王ゲーム」

2013年12月4日刊。初出は「別冊文藝春秋」2013年1月号~9月号。

蔵書にあったものを再読。こんな本を持っていたとは自分でも驚きだし、中を読んでもさっぱり覚えがなかった。たかだか10年前なのに、恐ろしい。おかげで新鮮な気持ちで読み進むことができたが、なぜ本書を買ったのかは思い当たらなかった。

淡路島では秀才でスポーツ万能、かつ眉目秀麗。将来の出世を夢見ていたが、英語教師サラに目を付けられ、女王ゲームに参加させられることに。女王ゲームとは、命懸けのババ抜き。勝てば賞金10億円、負ければ命を失う。イカサマはなんでもござれ。

裏カジノはどこの世界でもあるだろうが、こんな大規模なものが開催されたらあっという間に世間の噂になるだろう、人が何人も死ねば警察も動くだろう、でもそういうことは一切捨象して考えましょうという荒唐無稽なもの。福本伸行かよと思ったら、作中に「カイジ」が登場した(登場人物が読んだ漫画としてだが)。

とりあえずサクサク読み進められた。面白いことは面白かった。「秀才」であることを表現するのに「東大合格」は陳腐だなあとは思ったけど。

初芝今日子が彼氏に気に入られようとして、例えば好きそうな漫画を全部読んだというけれど、初芝の家は貧乏なのにどうして漫画を買うお金があったのか不思議。現在の私は、当時の初芝よりはるかに裕福だと思うが、それでも読みたい本(漫画)を全部は買えないんだぞ。



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