鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「戦国小町苦労譚」12

  • 原作・夾竹桃、平沢下戸、作画・沢田一「戦国小町苦労譚 農耕戯画」12(アース・スターコミックス)

2022年10月12日刊。「デジタル版コミックアース☆スター」2022年4月~9月掲載。

「志賀の陣」の論功行賞、一はもちろん森可成。そして特別武功は静子。宇佐山が激戦になることを読み、自ら加勢し大軍を退けたことによるものだが、静子自身は負け戦だと思っており、敗戦の責任を一人で背負い込んでいた。

一方、近衛前久の猶子となり、周囲には、間者対策のためこれまでは近衛の名を使うことを禁じていたと発表。近衛静子となった。

浅井長政は一兵卒として、静子隊に加わり訓練に励む。森長可は、史実ではいないはずの父・可成に稽古をつけてもらうシーンも。

さて、信長の命により、三人の侍女と一人の新兵が静子に与えらえた。茶々、初、前田利家の次女・蕭姫。また浅井長政の元家臣・藤堂与吉(のちの藤堂高虎)。茶々と初は長政のそばに(市とともに)住まわせようという配慮。蕭姫は静子の活躍を聞いて以来強い憧れの念を抱いており、本人が強く希望したもの。一方与吉は「女人には仕えたくない」と言い放つ。

圧巻は、がけ崩れで巨大な岩が街道をふさいでしまい、何十人もの男がなんとかしようとしたがびくともしない。そこへやってきた静子が職人の力を借り、矢穴技法で岩を割ったこと。

ライフル銃の開発にも乗り出すが、これはうまくいかない。

上杉謙信は、世の支配者は誰でも民から奪うことを考える、しかし静子は民を豊かにすることを考えていると、全く視点が違うことを指摘する……



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