鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「クラスメイトちゃんとお姉さん」

  • 成瀬みやび「クラスメイトちゃんとお姉さん」

2022年6月22日刊。60ページ。これが初オリジナル作品らしい。「恋するクラスメイトちゃん」「お隣に距離感がバグってる無防備な女子大生が引っ越してきた」の二編所収。

いわゆる他人との距離がうまく取れず戸惑ったり困ったりしている人の話。ストーリー展開はともかく、絵柄に関してはこれが初オリジナルとは思えない完成度。

どちらも中途半端に終わってしまったことを著者があとがきで残念がっているが、あとの方の話はのちに「お隣の音成さん」として作品化されている。

「他人との距離感」に関する私見

高校は、一部の私学を除けばみな同じ地域に住み、成績も同程度なので、だいたい考え方も似ていて、共通する話題も多い。そういう世界で友だちがたくさんいた、人気があったということでコミュニケーション力に妙に自信を持ってしまうと、大学に入って周囲から浮きまくり、嫌われ、果ては学校をドロップアウトしてしまったり、ということが意外にあり得る。

大学の方が成績も出身地ははるかに幅が広いし、なんなら年齢も現役と一浪、二浪とでは違う。そういうところでは、自分はコミュ障だと謙虚に思っているくらいの人の方が、長い間には親友や恋人をしっかり確保していたりする気がする。

しかし隣の女子大生さんは、他人との距離感はともかく、一人暮らしなのに実家にいた時と同じ分量で料理を作ってしまうのは、いくらなんでも「やらかし過ぎ」だ。



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