鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「トットの欠落帖」

単行本は1989年5月1日刊。文庫本は1993年8月31日刊。

「窓ぎわのトットちゃん」がとてもいい本だったから、黒柳徹子をもう少し読んでみたいと思い、購入。新しい本ではないが、書店に並んでいるのは、劇場アニメ効果か?

文章はうまいし、面白い本には違いないが、普通のエッセイ集である。「窓ぎわのトットちゃん」の続編ではない。

黒柳徹子がいろいろやらかしたことを、時系列に関係なく(思い出した順に?)書き連ねたもの。確かに、ひとつひとつは「ちょっとすごいな」と思われる「やらかし」である。しかし、これだけ盛大にやらかしているのは、彼女に「欠落」があるからではなく、それだけ行動範囲が広いからだ。

仕事柄もあるのだろうけれど、彼女の行動力はすさまじい。また、幅広く興味関心を持つ、その知的欲求も並外れている。だから、結果的にやらかすことも増えていくのだろう。やらかしても、やらかしても気にも留めず(いや、結構気には留めているらしいと本書を読んでわかったが)、前へ進んで行く姿勢は素晴らしい。

本作品は、恐らくどこかの雑誌に連載されたものではないかと思うが、それに関する記載がない。単行本の発行日が書いてあるからまだマシだが、初出はわかるようにしてほしいものだ。